R言語でグループ化された棒グラフを作成する方法を説明します。ここでは、ggplot2
パッケージを使用します。ggplot2
は R でのデータ可視化に非常に便利なパッケージです。まずは、具体的なデータを例にとりながら進めていきましょう。
例題:性別による3つのクラスの生徒数の比較
次のような手順でグループ化された棒グラフを作っていきます。
-
データの準備
- 仮想データを作成します。3つのクラス(A, B, C)と性別(男性、女性)に基づいた生徒数を想定します。
-
ggplot2
のインストールと読み込み
- もしまだインストールしていなければ、
install.packages("ggplot2")
でインストールしてください。
- ライブラリを読み込むには
library(ggplot2)
を使用します。
-
グラフの作成
ggplot
関数と geom_bar
関数を使用してグラフを作成します。
-
追加のカスタマイズ
- 軸のラベルやグラフのタイトルを設定することができます。
スクリプトは次のとおりです。
# ライブラリの読み込み
library(ggplot2)
# 仮想データの作成
data <- data.frame(
class = rep(c("A", "B", "C"), each = 2),
gender = rep(c("Male", "Female"), 3),
students = c(10, 12, 9, 11, 8, 10)
)
スクリプト解説
このスクリプトは、R言語でデータフレームを作成するものです。ここで作成されるデータフレームは、class
、gender
、および students
という三つの列を持ちます。それぞれの列は以下のように構成されています:
class:
rep(c("A", "B", "C"), each = 2)
という式は、"A"、"B"、"C" という3つのクラスを各2回ずつ繰り返すことを意味します。
- その結果、
class
列は "A", "A", "B", "B", "C", "C" となります。
gender:
rep(c("Male", "Female"), 3)
という式は、"Male" と "Female" を交互に3セット繰り返すことを意味します。
- その結果、
gender
列は "Male", "Female", "Male", "Female", "Male", "Female" となります。
students:
- この列は直接指定された数値を含みます:
c(10, 12, 9, 11, 8, 10)
。
- その結果、
students
列は 10, 12, 9, 11, 8, 10 となります。
合わせると、このスクリプトは以下のようなデータフレームを作成します:
class | gender | students |
---|
A | Male | 10 |
A | Female | 12 |
B | Male | 9 |
B | Female | 11 |
C | Male | 8 |
C | Female | 10 |
このデータフレームは、例えば、異なるクラスの男女の生徒数を表していると考えることができます。
続きのスクリプトは次のようになります。
# グラフの作成
ggplot(data, aes(fill=gender, y=students, x=class)) +
geom_bar(position="dodge", stat="identity") +
labs(title="Gender wise student count in each class",
x="Class",
y="Number of Students")
スクリプト解説
このスクリプトは、ggplot2
パッケージを使用して、R言語でグループ化された棒グラフを作成するためのものです。具体的には、異なるクラスごとに男性と女性の生徒数を比較するグラフを作成します。以下、各部分の説明です:
-
ggplot(data, aes(fill=gender, y=students, x=class))
:
ggplot(data, ...)
:ggplot
関数はグラフを作成するための基本関数で、ここで data
は使用するデータフレームを指定します。
aes(...)
:aes
は aesthetic(美的属性)を設定する関数です。この場合、
fill=gender
:棒の色を gender
列(男性、女性)に基づいて変化させます。
y=students
:棒の高さを students
列の値によって決定します。
x=class
:棒を class
列(クラスA、B、C)に基づいて配置します。
-
geom_bar(position="dodge", stat="identity")
:
geom_bar(...)
:棒グラフを描画する関数です。
position="dodge"
:棒を並べて表示する(グループ化された棒グラフ)。同じクラス内で男性と女性の棒が隣り合わせになります。
stat="identity"
:データフレーム内の students
の値をそのまま棒の高さとして使用します。
-
labs(title="Gender wise student count in each class", x="Class", y="Number of Students")
:
labs(...)
:グラフのラベルをカスタマイズする関数です。
title="Gender wise student count in each class"
:グラフのタイトルを設定します。
x="Class"
:x軸のラベルを「Class」に設定します。
y="Number of Students"
:y軸のラベルを「Number of Students」(生徒数)に設定します。
このスクリプトを実行すると、クラスごとに男女の生徒数を比較する棒グラフが作成されます。棒グラフは、性別によって色分けされ、クラスごとにグループ化されて表示されます。
グラフの出力
スクリプトを実行すると次のようなグラフが作成されます。
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